おちゃまるの頭の中

上智大学に通う現役大学生おちゃまるが、「いつもの学びをちょっと楽しく」を目指してためになるようなならないようなくだらないことをつらつら書くブログです。

経営学から考える千と千尋

こんにちは。静岡県産のおちゃ(@ocha_shizuoka)です。

 

今学期、私は経営学に関する授業を受講しています。

知らないことも多く、聞いている時は面白いのです。

 

でも!なぜか!

ぜんっぜん授業内容が記憶に残らない!

 

面白く聞いているのに次の日の朝には忘れています。

しかし安くはない学費。

ちゃんと元を取りたい!!!!

 

そこで少しでも授業内容を記憶に残すべく、講義で学んだ知識をもとにジブリ作品千と千尋の神隠しに登場する湯婆婆が経営する「湯屋」の経営実態を分析していきたいと思います!

(こいつジブリすきすぎだろってお思いかと思いますが、お察しの通り好きなので今後も記事書くよ)

 

 

※最初に一応言わせていただきたいのですが、私は経営学部ではありません。ちょびっとだけ入門的な経営学に関する講義を受講しているだけです。そのため、とても拙い知識しかないためちょっと「ん?」ってなることがあるかもしれません。この記事で経営学に興味を持っていただけた方は、ぜひ専門書などをチェックしてみてください!

あとこの記事めっちゃ長くなってしまいました。

 

湯屋の経営戦略

企業の経営の根幹をなす経営戦略湯屋の経営戦略はどのようになっているのでしょうか?

まずあげられるのが「人を大切にしている」という点でしょう。泥に塗れた悪臭を放つお客様が来店しても無下な対応をせず、最後まで一人のお客様として接客をしています。

企業にとって重要な「人」といえば、もう一つ重要なのが従業員ではないでしょうか。

千と千尋湯屋では冒頭で強烈な圧迫面接が行われたり、名前を奪うことで退職を困難にしたりするなどのブラック企業のイメージが強いです。しかし実際に救い用がないほどひどい職場であると言えるのでしょうか?

 

答えは「No」。湯屋では従業員の働きを正当に評価する風土が整っていると思います。

例えば千尋が良い接客をしたときには、人間という蔑ろにされやすい立場であるのにも関わらずしっかりと褒めています。また、千のお世話係となっているリンは礼儀やマナーについては厳しく指導する一方、うまくやった時には千を褒めたり、一緒に掃除や食事をしたりするなどの丁寧なフォローを行う様子も見て取れます。このようにこの人を大切にする姿勢は、湯婆婆のみならず企業全体に行き渡っている企業文化といえます。

また制服の支給や社員寮も完備されており、福利厚生的な部分もしっかりとしているのではないでしょうか。

 

 

VRIOフレームワークから分析する千と千尋

続いては湯屋経営資源をVRIOフレームワークを用いて分析してみます。

VRIOフレームワークとは、その企業が持つ経営資源Value(価値)、Rareness(希少かどうか)、Imitability(真似しやすいか)、Organization(組織)の4つの視点から分析する手法です。

それでは実際に千と千尋湯屋のケースを分析していきましょう。

まずは価値湯屋八百万の神様を対象とした温泉型リゾート施設といえます。

コロナ禍で観光産業は非常に苦しくなっていますが、外出自粛が続いているからこそ温泉に浸かってゆっくりしたいというニーズもあるのではないでしょうか。温泉のみならず飲食店なども軒を連ねる湯屋は施設内だけで楽しむことができ、温泉を楽しみたいけど街を歩くのは感染が怖い…というおひとり様旅やおこもり小旅行にぴったりです。コロナが終息すれば相当なニーズがあると予測できます。

よって「価値はある」といえそうですね。

 

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続いて希少性について。希少性が高いと顧客の選択肢が少ないため自社を選ぶ顧客が増えるなどのメリットが生じます。

これはどの視点から見るかによっても変わってきそうです。もし国内における希少性を考えるのであれば、温泉施設自体はそこまで珍しいものではありません。一方世界的に見た場合や神様をメインターゲットとしている点、非常に大規模な施設である点などは希少性があるといえそうです。

 

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そして真似しやすいかどうか。

温泉施設という性質上、温泉やお湯が大量に産出される地でなければ開業は難しそうです。また湯屋ほど従業員数も多い大規模なリゾート型の施設となると参入のためのコストが高くなるため新規参入者も少ないと予想します。よって真似もしにくそうですね。

 

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最後に組織についてです。組織という観点は、その企業が持っている資源を生かせるだけの組織が構築できているかというもの。

湯屋の場合は千にリンという専任の教育係をつけるなどの上質な新人教育を行なったり、豊富な種類のお湯を札によって手配するなどの洗練された伝達系統が整備されていたりします。

よって組織も◎

 

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さて、結果が出ました。

湯屋持続的な競争優位のポジションにいることがわかります。

収益も大きく、業界で確固とした地位を占めていると言えるでしょう。

 

 

湯屋の競争ポジション

最後に湯屋の競争ポジションについて考察してみたいと思います。

競争ポジションはその業界最大手のリーダー、リーダーの次点程度のシェアを誇るチャレンジャー、規模は小さいもののニッチなニーズに応えるニッチャー、規模も小さくリーダーに対抗できるほどの力もないフォロワーの大きく4つに分類されます。

それぞれのポジションにより目標とする点や有効な手法が異なるため、自社のその業界におけるポジションを知ることは重要です。

 

では湯屋はどこに分類されるでしょうか。

規模は大きいためフォロワーということはなさそうです。業界のシェアがどのようになっているかを知ることができない点が非常に残念ではありますが、大衆向け温泉施設ではなく神様を対象としているという部分ではニッチャーと分類することができそうです。

ちなみにここで「そもそもあの世界に神以外が存在するのか?」という疑問が湧いてきますが、千尋は例外としても、他の湯屋の従業員は神様ではなさそうです。

 

経営学ではその企業がターゲットと定める顧客層に対して働きかけるために活用するものたちのこと(ちょっと特に覚えてない部分なのでニュアンスですが…)をマーケティング・ミックスと呼ぶそうです。特に4pと呼ばれるProduct(製品)、Place(流通)、Promotion(プロモーション)、Price(価格)が重要になるそうですが、ニッチャーに属する湯屋が必要とするマーケティング・ミックスとはどのようなものでしょうか。

まずはニッチ産業であるという特性上、自分たちが対象とする市場に競合他社が生まれないようにすることが重要です。そのためには自社の製品やサービスの差別化や、狭くとも自社がターゲットとする市場に集中することが迫られます。安定した利益を継続的な成長をしながら安定した利益を出すことでしょう。

つまり湯屋は神様たち独自のニーズにとことん応えていくことが必要だといえそうです。

 

 

結論①:弱点「スイッチングコストの低さ」

ここまで見ると湯屋は非常に成功している企業のように感じます。

しかし私はこれまでの分析を通して「スイッチングコストの低さ」は湯屋のウィークポイントとして避けては通れないものだと確信しています。

スイッチングコストとは、顧客が他の商品に変更するために必要な労力や時間などのことです。

例えば私はアップル製品を愛用しています。今使用しているiPhoneを他社製品に変更しようとしたらどうなるでしょうか?

まず価格。スマホは決して安いものではないため、機種を変更するための経済的な障壁が高くなります。さらに私は講義の際、Mac Book、iPadiPhoneを組み合わせて使用しています。この時にairdropを多用しがちなのでそういった機能を使えなくなることや、そもそも10年以上iPhoneを使っていて使い慣れているという部分でも、スイッチングコストは非常に高いといえます。

しかしこれがポケットティッシュだったらどうでしょう。確かに肌触りの良いものや大容量のものなど特徴はありますが、別の商品に変える時に障壁となるものは少ない、スイッチングコストの低い商品です。

 

さて、湯屋は(少なくとも今回の記事の仮定上は)温泉型リゾート施設です。温泉自体はその地域で同じ源泉のことが多いですし、温泉街には多くの温泉が存在します。入浴だけであれば価格もそう大きく変わることはないため、スイッチングコストは低いような気がします。

スイッチングコストが低い=顧客が流出しやすいということなので、湯屋にとっては大きな弱点となりそうです。

ではなぜ湯屋はあのように成功を収めているのか。そこには参入障壁の高さとニッチャーであるという点が関係していそうです。

大規模な温泉施設は初期コストが大きく参入障壁が高い上、神様のみをターゲットにして徹底的にニーズに寄り添うことで差別化を図っている点が功を奏しているのではないかと考えます。

 

 

結論②:湯屋の成功点

これまでの分析で湯屋は非常に優秀な企業ということがわかりました。

私はこの成功には湯婆婆の経営手腕が大きく関係していると思います。

湯婆婆の人を大切にする姿勢が神様という顧客に満足感を与え、企業の独自性や希少性をうみ、従業員を正当に評価することで質の高い組織作りに成功しています。

確かにスイッチングコストの低さや圧迫面接などの課題も存在しますが、それを上回る魅力や強さが湯屋にはあるのではないかと感じました。

 

 

 

さて、とてもなっっがい記事になってしまいました。

自分でもびっくりです。

でもここまで読んでいただいた読者の方の方がびっくりだと思います。私だったらこんな長い記事読む気おきないもん。

ここまで読んでくださった方、とってもとってもありがとうございます!

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